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第九回「片子の一生の物語をつくる」

November 29, 2017

2017年8月28日

協力:女性2名(20代、30代)、男性3名(20代、30代)、私の計6名

時間:約2時間

自宅にて。

 

***

 

 前回までが「片子が死ななかった場合」の解決策や、小さな物語をいくつも創作するという流れになったことをふまえて、今回は目的を「一つの物語を完結させる」こととした。そこで、テーマを「片子の一生の物語」とした。前回と違う点としてもう一つ、物語を自由に作り直すことを重視するため、片子の生死は問わないこととした。

 

 そして8月28日。日付に特に意味はない。数か月ぶりにまたもや知り合いに声をかけ、駅からそこそこ遠い自宅に集まってもらい、物語づくりに協力してもらった。女性2名、男性3名と私で計6名となった。

 

 いちおう原作となる昔話は事前に読んでもらっていたが、箱庭を囲んだところで簡単に確認しなおす。そして前回までの流れを説明し、この物語を新にひとつ作り直すという趣旨を説明。どのように手をつけてよいか誰もわからず、いつもと同じく戸惑いながらのスタート。何となくそれぞれの物語の感想などを話し合っているうちに、それぞれの役割を決めてロールプレイで物語をはじめから作ってゆくという進め方に決まる。そこで、片子が生まれる前からはじめることに。

 

 まずは、夫婦の村での生活からスタート。山に焚き木をとりにゆく夫が「川で洗濯でもしていなさい」と発言したことに対して、女房役の女性から「勝手に(女性=家事などの)役割を押し付けられるのは嫌」という声が。そこから夫婦生活の不満があったのでは?ということについて話し合われ、その不満が鬼ヶ島へいってもよいという理由になったのでは、などと話される。

 

 てきとうに遊びながら物語づくりは進行。女房が自分の好きなように振る舞うことによって物語が動いてゆく展開に。10年後に夫が鬼ヶ島にたどり着く場面では、夫が片子の案内で鬼の家にたどり着くと、そこには鬼の上にまたがる女房の姿があった。失意のうちに夫は寝込んでしまう。

 女房は夫が迎えに来たことを知ると、鬼と夫に黙って片子と二人で鬼ヶ島を出て村へ帰ってしまった。残された鬼と夫は最初こそ言い争っていたものの、鬼ヶ島の自由な雰囲気に夫も次第にほだされ、鬼と酒を酌み交わす仲に。そうして夫は鬼ヶ島に居ついてしまい、物語からフェードアウトしてしまう。

 

 村に帰ってからは、シングルマザーとして片子を育てる女房が主に描かれた。鬼が追いかけてくるという脅威がなくなったこと。そして夫がいないことによって片子の葛藤が弱まり、村に馴染みきれないながらもひとりだけ友人もでき、何とか生きてゆくという様子がつくられた。その中でも女房はあくまで自由に生き、新たな彼氏を次々と作るという展開に。

 

 さらに物語を進行させてゆくと、村に「新興宗教」がやってくるという展開がつくられた。その宗教では「人も動物もあらゆる生物はみな兄弟である」と説く。そうして村では異種交配が進み、多様な社会となることで片子がマイノリティであるという問題は解消された。そして片子自身も「わけのわからなさ」を受け入れることで、それなりに満足した人生を送った。

 

 物語としては終わりにしてもよさそうなところではあるが、「一生の物語」なので物語づくりを続行。母の死に際に片子は何を思うか?といった場面をつくる。片子はもはや多様な社会の一部として受け入れられているため、特に葛藤など描かれず、ごく自然に母親が弔われるという場面に。そして片子の死の場面づくりへ。片子はどのように死ぬだろう?と問うと、最期の日に鬼の父親があらわれるという展開へ。鬼は「お前はあと100年生きられる」と意味深長なことを言う。すると、片子の肉体が半分に割れ、人間の半身は死に、鬼の半身は鬼とともに去っていった。人間の半身は殺人事件として処理されましたとさ。というところで、物語づくりはおわり。

 

 最後に今回の物語の感想や、女房や新興宗教といった大きな役割を果たしたモチーフについて話し合った。女房が積極的に行動することによって多様さが生まれるという点や、それだけでなく「新興宗教」という外部からの力が加わることで村的なしがらみが破壊されるという点について話し合う。また、夫の役割が全く不明だという話をする。これまでのワークショップでもあまり活躍しておらず、原作においてもあまり重要な働きをしない夫だが、今回も物語中盤で消えてしまった。

 

 

 

 今回は「女房」が重要な役割を持つ回となった。昔話の中では基本的に受動的な女房(片子に言われるがままに彼を切り刻んだりした)が、積極的に行動することによって多様な社会が生まれるという展開になったことが興味深く思われる。河合隼雄の「意思する女性」というモチーフと重なるようで面白い。

 物語を俯瞰してみるなら、現代社会でよく唱えられるある種の「理想」を描いた物語のようにも見える。ジェンダーやマイノリティといった問題が多様性によって解消される社会像が、女房の積極的な働きによって昔話の中でもあらわれたようにも見えた。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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